「いじめ不登校対策支援室」堺市が7月に設置、早期解決めざす
井石栄司
【大阪】いじめや不登校の問題を抱える家庭を支援するため、堺市は市長部局に「いじめ不登校対策支援室」を7月に設置する。学校や教育委員会と保護者間の信頼関係が損なわれた場合に、支援室が保護者らからの相談の窓口となる。支援室が市教委に助言などすることで、問題を早期解決できるようサポートする。
市と市教委が6月2日に発表した。設置によって、組織の独立性が担保されている教育委員会に、市長部局として関与していく姿勢を示すねらいがある。
市教委によると、いじめ認知件数や不登校児童数は増加傾向にある。一方で、「相談しても、学校や教育委員会は取り合ってくれない」などと、対応に不満を感じる保護者もいて、いったん関係がこじれると、市教委側だけで解決の糸口を見つけるのは難しかった。
支援室は保護者側の窓口となるとともに、必要に応じて弁護士など専門家の視点も活用しながら、助言などによって市教委が適切に解決できるようにする。
永藤英機市長は「まずは学校に相談して欲しいが、すべてを現場で解決するのは難しい。市長部局としても改善に向け尽力したい」と設置理由を説明した。
また高校入試で市立中学校が高校に出す調査書(内申書)で記載ミスが見つかった問題で、検証委員会を設置することも発表した。
この問題では、計77人分に誤記載があり、本来は合格だったはずの2人が不合格となっていた。検証委は弁護士や大学教授ら外部の有識者5人で構成し、原因究明や防止策を話し合い、報告書をまとめる。教委事務局と市長部局で構成する対策チームも立ち上げ、来春入試に向けて具体的な再発防止策を講じる。(井石栄司)
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