農産物の盗難防げ 各地でパトロール

池田拓哉
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 サクランボやトウモロコシなど収穫期を迎えた夏の農産物の見回り活動が各地で始まった。山梨県警は近年、監視システムやドローンも活用し、パトロールを強化している。

 山梨県が全国3位(2020年)の収穫量を誇るサクランボ。一大産地の南アルプス市では5月25日夜、盗難防止パトロールの出発式があった。

 石部和久南アルプス署長が「全国有数の果樹栽培地域であり、果実盗は極めて悪質な犯罪。盗難防止と検挙に力を入れる」とあいさつ。JA南アルプス市や同署の関係者ら約90人に加え、警察犬4頭も夜の畑を見回った。

 JA南アルプス市は18年、不審者をセンサーで感知する「圃場(ほじょう)遠隔見守りシステム」を導入した。音と赤色灯で警告すると同時に、農家に注意喚起のメールが届く仕組みという。

 30台用意し、一つの作物の収穫期に1万5千円で貸し出す。サクランボの収穫が終わると桃、プラム、ブドウの農家が活用する。

 このシステムによって、JAが毎年30~50件ほど把握していた盗難被害は年10件ほどに減った。

 一方で農家が「泣き寝入り」するケースは後を絶たない。昨年、同署に届けられた被害はわずかに3件(被害額約21万円)で、把握された被害件数より少ない。収穫作業で忙しく、警察の捜査に協力する余裕がないためという。中沢豊一組合長は「(被害届の件数は)『氷山の一角』と感じている」と述べ、盗難への警戒を強めている。

 市川三郷町でも先月24日、トウモロコシの特産品種「甘々娘(かんかんむすめ)」の盗難防止パトロールが始まった。昨年5月には約2600本(約80万円相当)が盗まれる「前代未聞」(JA山梨みらい)の盗難事案があった。鰍沢署は昨年に続いてドローンを使った警戒を実施する。8日にJA関係者らと訓練をするという。

 中央市では6月に入り、収穫前のトウモロコシが盗まれる被害が発生した。南甲府署によると、1日夜から2日朝にかけて、市内の70代男性方の畑から「ゴールドラッシュ」という人気品種が約250本(約5万円相当)盗まれた。同署は収穫が続く今月中旬ごろまで警戒を続けるという。(池田拓哉)