甲子園で6点差逆転負けも 新庄監督「懐かしいな。ジーンときた」
(3日、プロ野球交流戦 阪神タイガース9―7北海道日本ハムファイターズ)
取って、取られて、最大6点差を逆転負け。それでも、帰ってきた甲子園で、日本ハムの新庄剛志監督が野球の楽しさを見せてくれた。
「負けたのは実力不足だけど、ファンのみんなは、ものすごいおもしろい試合だったんじゃないかと。その面ではうれしいですね。10年間育てられた球場で、いい試合ができたと思う」
攻めの采配が次々に当たったのは三回だ。
万波中正が中堅左に本塁打を放り込むと、3連打で瞬く間に無死満塁となった。
ここで、相手に考える間を与えない。意表を突く初球スクイズだ。ドラフト9位新人の上川畑大悟(NTT東日本)が、捕前に転がした。
「ビッグボスの野球では絶対にスクイズがあると思っていた」
敬遠で再び塁が埋まると、今度はヒットエンドラン。宇佐見真吾が2点打を放った。併殺の危険性が高いセオリー破りの作戦を立て続けに決めた。
だが、2点リードで迎えた八回の守りで暗転する。
左腕の堀瑞輝が、甲子園今季最多4万2574人の重圧にのみ込まれた。押し出し四球でひっくり返された。
堀を引っ張り過ぎた感もあった。ただ、新庄監督は「もう代えようかなと思った。けど、逆転されても同点でも、この雰囲気を乗り越えさせようと思っていた」と説明した。
満員の甲子園で大熱戦。「懐かしいな。この大歓声の中でずっとやっていたんだなって。ジーンとくるものがあった」
聖地ではあと2試合。新庄劇場はまだ、終わらない。(編集委員・稲崎航一)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら