二酸化炭素排出ゼロのごみ収集目指す 太陽光発電の普及で 長岡京市
ごみ収集による二酸化炭素排出量を実質ゼロに近づける試みが、京都府長岡京市で始まる。2050年に「ゼロカーボンシティ」を目指す市の取り組みの一つで、主に住宅に太陽光パネルを設置することで実現を目指す点が特徴だ。
市は5月、社会課題の解決を目指すボーダレス・ジャパン(東京都)のハチドリ電力、ごみ収集事業者3社と協定を結んだ。
ハチドリ電力は自然エネルギーによる電力のみを扱い、住宅の屋根を使った太陽光発電を進めている。
協定を結んだ事業は、二酸化炭素の「排出量取引」制度を使い、太陽光発電の導入によって生まれた二酸化炭素削減価値をごみ収集事業者が買い取り、燃えるごみ収集での二酸化炭素排出分に充てる仕組みだ。
排出量は年間約60トンで、今後3年間で100世帯に太陽光発電を導入できれば、排出量の実質ゼロが実現できるという。
排出量取引には府が運営する「京―VERクレジット」の制度を使い、事業者が支払った対価とハチドリ電力の売上金の一部が市の環境施策に再投資される。
ハチドリ電力は、市と協定を結ぶことで、太陽光発電を売り込みやすくなり、ごみ収集事業者は自社だけでは難しい排出量の実質ゼロを達成できる。
中小路健吾市長は「小さなことを積み重ねていくことが大事だ。ゼロカーボンで身近なごみ収集を対象にすることは、市民への情報発信でも大きな効果がある」と話した。(西田健作)
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