インスタグラムじゃないけど正方形 須田一政のシュールな写真展
田中ゑれ奈
写真家・須田一政(いっせい)(1940~2019)は「日常の中にある非日常」を捉え、スナップでありながら超現実的な表現で注目された。その活動前半期を紹介する展覧会が、入江泰吉記念奈良市写真美術館で開かれている。
木につながれて暴れる獣、少年の頭に見える看板のシルエット。1976年に日本写真協会新人賞を受けたシリーズ「風姿花伝」は、平凡なのにどこか異質な光景をモノクロの正方形で切り取る。現代のインスタグラムを思わせる真四角の構図は、米国の写真家ダイアン・アーバスが確立し、70年代から世界的に流行した。
「縦なら奥行き感、横なら広…