栗山英樹さんが問い直す涙の理由 「もうダメ」と決めつけた高3の夏

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構成・山下弘展
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 第104回全国高校野球選手権大会は8月6日から兵庫県西宮市阪神甲子園球場で開催される。今大会のキャッチフレーズは「この夏も、応援したい君がいる。」(群馬・高崎商大付高3年の渋谷瑠良(るら)さんの作品)。新型コロナ禍に見舞われて3度目の夏を前に、野球日本代表侍ジャパン)監督の栗山英樹さんにメッセージを寄せてもらった。

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 いま、この年齢(61歳)になって思うのです。なぜ、泣いてしまったのかと。

 創価高3年生のとき、私たちは春の東京都大会でベスト4に入りました。東西に分かれる夏と違い、春はオール東京です。しかも、同じ西東京の日大三には大差で勝ちました。最後の夏は、自信を持って西東京大会(1979年の第61回大会)に臨みました。

 4回戦の相手は都立の東大和でした。高校野球指導者のバイブルともいえる「甲子園の心を求めて」(報知新聞社)を書いた佐藤道輔先生が指導されていたチームです。前年の準優勝校なので当然ターゲットにしていましたが、3―10でコールド負けしました。

 エースだった私は、五回か六回でマウンドを降り、ショートに移りました。悔しくて、申し訳なくて、情けなくて、前が見えませんでした。涙で。

 まだ試合は終わってない。で…

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