新型コロナウイルスの感染拡大で、大学が次々と休校に追い込まれてから3年目を迎えた。オンラインの併用で授業を再開させるところが多いなか、原則「対面のみ」に踏み切った大学がある。大学院生を含め、2万5千人の学生を抱える関西(かんせい)学院大(兵庫県)。昨年度までは、オンライン重視の大学だった。
混乱の始まりは2020年2月。都市部を中心に感染が広がりを見せつつある時期で、関学では卒業式が中止になった。
「大学としてやれたことは、卒業証書の郵送だけでした」
コロナ対策を仕切る大野健一郎・学長室課長は自らも印刷業者に出向いて、証書の箱詰めを手伝った。
半日で在庫はなくなった
4月7日に政府が緊急事態宣言を出したことで、20年度も休校は続いた。早くオンライン授業ができる態勢を整えなければ、大学は立ちゆかない。とはいえ、学生がみなパソコンや通信機器を持っているわけではない。
機材の調達は競争だった。どこの大学も事情は同じ。貸出業者に聞くと、「在庫ができても半日でなくなる状態」という。大野さんらはスピード重視の異例の手続きをとり、学生アンケートを踏まえて750台のノートパソコンと2千台のWi-Fiルーターを確保。21日からオンライン授業を始めた。
「病んでしまいそう」 深夜に父親が迎えに来た
当初はトラブル続きだった。
一度に大人数の学生が回線に…
- 【視点】
オンライン教育は対面と異なるやり方をとれば、教育効果がむしろ高いこともある。 私の経験では、受講生が多い大規模講義の場合は、双方向性を重視すれば、対面よりオンラインのほうがよい側面もあった。 私はコロナ前は、受講生が200人を超
- 【視点】
「コロナで、人と人が対話でつながって学ぶことの大切さを改めて痛感した」と、よく学校関係者から聞く。教育の取材を続けているとその通りだと思う。ただ一方で、オンラインか対面か、どちらかだけが「正解」のような議論は、もう時代に即していないとも思

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