黒田総裁の発言、根拠にあげた「強制貯蓄」 語られなかった実態は
小出大貴
日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁が6日の講演で「家計の値上げ許容度も高まってきている」などと発言したことが波紋を広げている。黒田氏は、仮説とことわりながらも、その根拠として、「強制貯蓄」の存在を挙げた。強制貯蓄とはどういうもので、物価高に苦しむ家計の負担感を本当に減らすほどの効果があるものなのか。数字をもとに検証してみると、黒田氏の説明に感じる違和感の原因が浮かび上がってきた。
日銀によると、強制貯蓄とは、新型コロナによる外出制限などで消費に使えず、「半ば強制的に貯蓄された所得」をさす。日銀は、2021年末時点で50兆円たまっていると試算し、コロナの感染が広がった20年から1年間で2・5倍に増えたとしている。
日銀は、この強制貯蓄が今後…
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- 【視点】
このところ「黒田バズーカ」が次々に放たれていますが、それら発言の中で私が注目したのは「強制貯蓄」 という言葉でした。 《日銀によると、強制貯蓄とは、新型コロナによる外出制限などで消費に使えず、「半ば強制的に貯蓄された所得」をさす。日銀