21億円着服事件で揺れた経営難の私大、新理事長に「物言う学長」

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編集委員・増谷文生
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 元理事長が21億円を着服する事件を起こすなど、混乱が続いてきた学校法人の理事長に4月、山本健慈氏(73)が就任した。全国86の国立大を束ねる国立大学協会で専務理事を務めた人物で、大学関係者の間には驚きが広がった。なぜ、マイナスのイメージの強い私学の再建に参加するのか。

 2年前、学校法人明浄学院は存続が危ぶまれていた。

 大阪市の寺院団が1921年に設けた高等女学校に始まり、100年の歴史がある。2000年、大阪府南部の熊取町に大阪明浄大(06年に大阪観光大に改称)を開設。だが、学生が集まらず、多くの留学生を受け入れてしのいできた。

 経営が悪化したところで、19年に理事長が横領事件を起こし、約7億6千万円の負債を抱えて民事再生手続きが始まった(今年5月に手続き終結)。この不祥事は、政府が私立大のガバナンス(統治)改革に乗り出す端緒にもなった。

 明浄学院は傘下の学校のうち大学だけ再建させる方針を打ち出した。そこで白羽の矢が立ったのが、20年3月に国大協の専務理事を退き、大学から1キロ弱の自宅に戻っていた山本氏だった。

 「再建に力を貸してほしい」。大学側から依頼され、1週間ほど悩んだが承諾した。「長く大学に関わってきた人間として、目の前の窮状を見て見ぬふりはできなかった。地域や社会の信頼を取り戻し、100年かけて市民が築いてきた財産を後世に残したいと思った」と話す。

 「物言う学長」。09年から…

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