カモン!東大阪 ベトナム、ネパール、ミャンマー… 町工場は多国籍

有料記事

編集委員・中島隆
[PR]

現場へ! 町工場にて、共生①

 ものづくり大国ニッポン。その大きな拠点が、大阪の東大阪市です。浜名湖ほどの面積に、およそ6千の町工場。工場の集積度は日本ナンバー1です。

 東大阪市役所で国籍別の人口推移を見せてもらいました。1980年まではゼロだったベトナムの方が2020年には3千人超えです。ほかの国の方もたくさんいるようです。

 ぜったい、町工場で働いている人がいるはず。

 私、自転車で巡ります。

 まずは「三共製作所」。

 創業は1929年。航空機、自動車などの部品をつくる。

 この会社、ハンパない。

 ベトナム、ネパールミャンマーフランスガーナ……。従業員100人のうち6割が、外国のみなさんである。

 ホワイ、こんなに多いの?

 答えは、多国籍化をすすめた3代目社長、松本輝雅(てるまさ)(67)の少年時代にある。

 松本少年は、在日など様々なルーツの人に可愛がられた。70年の大阪万博。少年はノートをもって通った。お目当ては、会場を歩いている外国人だった。あっちに、ガリバーのように背が高い人がいる。あっちに金髪の人がいる。少年はかけよって、ノートを開く。

 「サイン、プリーズ」

 こうして松本は、外国人への偏見もアレルギーもない大人になった。長男なので、大学を卒業して家業に入った。

 85年、プラザ合意で円高ドル安がすすむ。そしてバブルがはじまった。仕事がありすぎて人手が足らない。日本人に見向きもされないから、日系ブラジル人を10人採用した。元弁護士や元航空管制官などみんな優秀で、よく働いた。

 企業の間で、日系ブラジル人の取り合いになる。有名自動車メーカーにはかなわない。

 2000年、社会勉強をかね…

この記事は有料記事です。残り662文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(春トクキャンペーン中)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

春トク_2カ月間無料
  • commentatorHeader
    田中宝紀
    (NPO法人青少年自立援助センター)
    2022年6月14日21時41分 投稿
    【視点】

    記事の伝えたいことはよくわかります。いろいろなルーツの方々が気持ちよく働ける環境を実現されていることに頭が下がります。記事にはないご苦労もきっと多くあったのではないかと推察します。 実習生や外国人を受け入れている事業者のすべてが「あく