パラレルワールドを生きる私たち 地球の倫理が必要 山極寿一さん

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山極寿一さん(寄稿)|人類学者

やまぎわ・じゅいち 1952年生まれ。霊長類学者。京都大学前総長。総合地球環境学研究所所長。著書に「家族進化論」など。

科学季評

 ロシアのウクライナ侵攻から3カ月がたち、ウクライナから国外へ逃れた避難民は600万人を超えた。ミャンマーやアフガニスタンなど政治的に混乱している国からも、多くの人々が安全を求めて逃れてきている。私たちはこの事態をどう受け止めたらいいのだろうか。

 1980年代の初め、ゴリラの調査でアフリカ中央部を訪れた時、戦争と平和が国境によって厳格に分かれていることを実感した。当時、ウガンダ共和国ではアミン大統領の独裁政権が倒れ、タンザニア・ウガンダ民族解放戦線(UNLF)連合軍が支配する事態となっていた。私はケニア共和国の国境から車を運転してウガンダへ入り、首都カンパラを通ってルワンダ共和国へと抜けた。ケニアもルワンダも平和な時期で、のんびり道を歩く人の姿や活気に満ちた街の雑踏が目についた。

 ところが、ウガンダは違った…

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