和歌山工高生の技 メンテナンス光る社会貢献

高田純一
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 車いすのパンク修理やさび落としに和歌山県和歌山工業高校産業デザイン科の2、3年生14人が活躍している。修理を担当する生徒のなかには将来、介護福祉士を目指している人もいて、高校生のときから社会貢献を実感できる貴重な場となっている。

 今回修理している車いすは、小中学生を対象に車いすの乗り方や手話などの福祉体験会を開いている和歌山市社会福祉協議会から頼まれた6台。約20年前から使っていてメンテナンスを考えていた協議会が、過去に机やいすなどを修理した経験がある同校卒業生から話を聞いたことで、依頼が舞い込んできた。

 同校の産業デザイン科は、これまでにも地域にある仏像の盗難対策のために3Dプリンターを使って、仏像のレプリカ制作などに取り組んできた。車いすの修理は産業デザイン科の生徒のなかの「機械加工班」が担当。4月下旬からコツコツと修理作業を進めてきた。

 5月下旬、作業する実習室に集まったのは福永祐佳さん(17)、土居春枇(はるひ)さん(17)、鈴木悠斗(はると)さん(17)の3年生3人。車いす2台をスパナやドライバーを使って部品ごとに取り外し、電動工具でさびがついている部分を磨き、工具が届かない細部はやすりで削ってピカピカにした。

 福永さんは卒業後、働きながら国家資格の介護福祉士を目指したいという。現在は、介護施設でアルバイトしていて、トイレや風呂の介助も経験する。介護関連の資格もすでに二つ取得したという。「バイトでは、利用者のお風呂に入ってすっきりした笑顔を見るとうれしい。利用者に寄り添える介護福祉士になりたい」と笑顔で語った。

 また、土居さんは「きれいに仕上げればまだまだ使える。車輪も調整して動きをよくしたい」と言えば、鈴木さんは「中学生の時に車いすに乗ったことがある。きれいになった車いすでこれからも小中学生にはどんどん体験してほしい」と話した。

 産業デザイン科の山下弘晃教諭(59)は「修理を通じて障害者福祉バリアフリーを学んでほしい。車いすのシートは暗めの色なので、次に依頼を受けたときはカラフルにしてみたい」という。

 修理作業は今後も続け、6月中旬ごろに和歌山市社協に返す予定だ。(高田純一)