必修で脱「暗黒時代」へ期待 高校の地理総合 足りぬ教員、争奪戦も

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上野創
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 今春から高校で新科目「地理総合」が始まった。選択科目だった地理Aにかわり必修となったが、地理専門の教員の人手不足が課題となっており、授業の質を不安がる声もある。こうした状況を踏まえ、オンラインセミナーやWEBでの教材提供など、地理教育を専門とする人たちが教員を支援する動きも活発だ。

 「地理総合」は、「持続可能な社会づくり」をめざして文化や国際協力、環境、防災などを学ぶのが特徴。電子化した地図に人口密度や標高、施設といった関連データを重ねて分析・管理する地理情報システム(GIS)も学習する。「総合」の後は「地理B」の後継の「地理探究」を選択科目で学ぶことになる。

 6年前に必修化が決まった背景には、履修者減少に関係者が危機感を持ち、長年働きかけたことがある。

 筑波大の井田仁康(よしやす)教授(地理教育)は「1970年代はほとんどの生徒が地理を学んだが、82年に現代社会が必修となって履修者は激減し、94年の世界史必修化で低迷が続いた」と話す。教科書の需要数では、地理はおおむね日本史や世界史の半分ほどで推移してきたという。

 2007年には日本学術会議の分科会が提言を発表。冒頭に「人類が解決を迫られている重要な現代的課題は地理教育と深く関連している」と指摘し、環境、国際化、防災、GISなどの要素を盛り込み、地理総合の必修化につながる道筋をつくった。

 大学入試で、地理で受験できる学部・学科が減ったことも、大きく影響した。

 高校教師の後、河合塾講師と…

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