罪に問われない男に夫は殺された 数行の通知書、事件なかったことに

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遠藤美波
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 3年前、ある事件で夫を亡くした。でも、刃物で夫を刺した男は罪を問われなかった。ただひとつ聞きたいことがあっただけなのに――。行き場のない「無念」を抱えた女性は、亡き夫の信念を思い返して立ち上がった。

 女性の夫、大森信也さんは東京都内にある児童養護施設の施設長だった。2019年2月25日、自身が勤める施設で元入所者の男に刃物で刺され、亡くなった。46歳だった。

 切りつけた男は、事件当時22歳。約4年前までの3年間を、この施設で暮らしていた。

 児童養護施設には、事情があって家庭では暮らせない子供たちが入所する。ただ、そこで暮らせるのは原則18歳までだった。退所した男のことを、大森さんを含めた職員たちは気に掛け続け、社会で生活できるように願っていたという。

 「施設に恨みがあった。殺すつもりで刺した。施設関係者なら誰でもよかった」

 男は警察にそう語ったとされる。女性は心の整理がつかないまま、事件を調べる警察や刑事裁判に向けて準備を進める検察に協力するなどして時を過ごした。

 退所後も支えようとしていた相手に、なぜ夫は殺されてしまったのか。女性は、男の裁判の中でその理由を聞けるはずだと思っていた。

遺族としてできること、知れることがあまりに少ないことに女性は違和感を覚えます。記事の後半ではこうした現実を知ってもらおうと女性が活動を始める経緯に触れています。

 ただ、男の事件当時の言動か…

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