第3回「老後2千万円」から3年 関係者の後悔、金融庁と厚労省の雪解け

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柴田秀並
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 「老後30年で2千万円の蓄えが必要」

 2019年6月、金融庁がこんな内容を盛り込んだ報告書を公表すると、「老後不安をいたずらにあおる」などと大騒ぎになった。

 あれから3年。実は庁内では、報告書に肯定的な声は多い。

 「内容は何も間違っていない。資産形成の必要性も周知された」(当時局長級以上だった幹部)

 「あれほど世の中に知れ渡った報告書はない。ある意味ショック療法だ」(現役の中堅幹部)

 根拠に挙げるのは、つみたてNISA(少額投資非課税制度)の口座数が急増したことだ。

 報告書はもともと、若いうちからの資産形成を促すものだった。だから、金融庁内に残る彼らの声は「積み立て投資」への意識が広がったから良し、とする見方だ。

 だが、「2千万円」問題は「副作用」を業界にもたらした。

 報告書をまとめた金融審議会の外部の有識者の一人は、朝日新聞の取材に対し、こう反省を口にする。

 「年金制度や老後への不安を過度にあおって手数料稼ぎをする金融機関の営業を、不本意にも助長させてしまった」

 自分は将来いくら年金をもらえるか……。そんな問いに、スマホで簡易的に答える試みが進行中です。さらに厚労省は別アプリとの連携も期待しています。「2千万円」問題が生んだ余波を追います。

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