ウクライナ東部ルハンスク州セベロドネツク市を巡り、ロシア軍とウクライナ軍が激しい攻防戦を繰り広げています。陸上自衛隊中部方面総監を務めた山下裕貴・千葉科学大客員教授(元陸将)は来週以降、戦闘が大きな局面を迎える可能性があると指摘します。
――まず、なぜセベロドネツク市が激戦の舞台になっているのでしょうか。
政治と軍事、二つの理由があります。セベロドネツク市は親ロ派勢力が支配を広げるルハンスク州で、ウクライナが仮の州都を置いている場所です。ここを攻略すれば、ロシアは同州を完全に支配したと宣言できるようになります。
また、セベロドネツク市は、ロシアがほぼ制圧したドネツ川東岸地域のなかにあります。ロシアが同市を攻略すると、ウクライナ軍は今後、ドネツ川を渡河しないと東岸地域に戦力を展開できなくなります。同市は戦略的な要衝とも言えるのです。
早ければ来週から新たな局面へ
――同市の攻防戦は5月初めから続いています。戦線が膠着(こうちゃく)しているようですがどうなっていくのでしょうか。
報道をみると、ロシア軍は5…
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