帰還困難区域で初の居住再開 福島・葛尾村、原発事故から11年で

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 東京電力福島第一原発の事故で国が指定した「帰還困難区域」のうち、福島県葛尾(かつらお)村で12日、一部の避難指示が解除された。住民が居住できる地域での避難指示解除は初めて。ただ、避難から11年が経ち、避難先から帰還する住民は当面1割前後の見通しだ。

 解除されたのは同原発の西約20キロにある葛尾村の野行(のゆき)地区。政府の原子力災害現地対策本部が12日午前8時、同地区に設置されていた立ち入りを規制するバリケードの撤去を始めた。篠木弘村長は「事故から11年余りたち、ようやく復興のスタートラインに立てた」と話した。

 村によると、避難指示が解除された地域には30世帯82人が住民登録している。すぐに帰還する住民は2世帯4人で、今後の帰還予定と合わせ計4世帯8人が暮らすようになる。環境省が宅地などを除染した結果、放射線量は解除する基準を下回ったが、事故前の4~5倍あり、それを不安視する住民が多いという。

 帰還困難区域は、放射線量が…

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