まだまだ勝手に関西遺産
プロ野球オリックス・バファローズが、かつて本拠を置いた神戸から遠ざかっていく。
神戸も舞台になった昨秋の日本シリーズは、ファンの思いは離れていないことを示した。
せめて、神戸での試合だけはなくさんとって。
ファンを一つにした言葉
昨年11月、SNS上で話題になった言葉がある。
「#神戸に帰ろう」
声を上げたのは、プロ野球オリックス・バファローズのファンたち。
チームは1996年以来のリーグ優勝を果たし、ヤクルトとの日本シリーズに進んでいた。
敵地での第4戦を終えて、1勝3敗。第5戦を落とせば、終わりだ。
第6戦の会場は、ほっともっとフィールド神戸(神戸市須磨区、旧グリーンスタジアム神戸)だった。
新型コロナの影響で日程が繰り下がり、本拠の京セラドーム大阪(京セラD)には別イベントが入っていたためだ。
「神戸に帰ろう」はファンを一つにし、選手たちを鼓舞した。
第5戦に逆転勝ちし、神戸での第6戦が実現した。延長の末、敗れた。
「神戸で(日本一を)決めたい気持ちもある」。シリーズ進出決定時、OBでもある中嶋聡監督(53)は言っていた。それだけ特別な場所だった。
阪急からの球団譲渡を受けたオリックスは、91年に球団名をブレーブスからブルーウェーブに変更。本拠を、当時あった西宮球場(兵庫県西宮市)から3年前に完成したグリーンスタジアム神戸に移した。
95年の阪神・淡路大震災でチームとファン、そしてこの球場との間に強い絆が生まれた。
この年、チームは「がんばろう神戸」を合言葉にリーグ優勝を遂げた。翌96年には前年に逃した日本一を神戸で決めた。
イチローさんの神戸への思い
神戸市東灘区の仲東晋さん(78)は歓喜の胴上げの瞬間を球場で見た。
「ファンも選手も、みんなで…
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