聖光学院と東北、13日の決勝へ 春の高校野球東北大会

滝口信之
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 第69回春季東北地区高校野球大会(東北地区高校野球連盟主催、朝日新聞福島総局など後援)は12日、福島県営あづま球場で準決勝2試合があった。聖光学院(福島)は5―3(延長十二回)で弘前学院聖愛(青森)に勝ち、優勝した2018年以来の決勝進出を決めた。もう1試合は東北(宮城)が3―1で青森山田(青森)に勝利した。決勝は13日午後1時から同球場である。

聖光学院5―3弘前学院聖愛(延長十二回)

 聖光学院が延長十二回の激闘を制した。延長十二回2死一、二塁から狩野、生田目の連続適時打で2点を勝ち越し、逃げ切った。六回から登板した佐山は直球がさえ、7回を投げ無失点。延長十一回満塁のピンチでは三好の好返球でサヨナラを許さなかった。

聖光学院、攻守両面で勝負強さ発揮

 聖光学院がまたも終盤の勝負強さを攻守両面で発揮し、決勝進出を決めた。

 守りでは、延長十一回1死満塁のピンチから、本塁への好返球でサヨナラ負けを防いだ。相手5番打者の打球を捕球した右翼手三好元気(2年)は「思い切って捕手のミットめがけて投げた」。すばやい送球は捕手山浅龍之介(3年)にワンバウンドで届き、三塁走者を本塁タッチアウトにした。「練習で想定していた場面。アウトにできてうれしかった」と振り返った。

 直後の延長十二回の攻撃では、1死から三好が内野安打。その後、2死一塁から三田寺大吾(3年)が初球を三塁前へセーフティーバントして好機を広げ、背番号18の狩野泰輝(3年)が打席へ入った。

 「投手陣が頑張っているので、何とか走者を返したかった」と3球目の内角の直球を振り抜くと、遊撃手のグラブをはじく安打に。二塁走者が生還し、勝ち越しを決めた。狩野は思わず一塁上でガッツポーズ。生田目陽(3年)も適時打を放ち、この回2点を追加して逃げ切った。

 準々決勝のサヨナラ勝ちに続いて、この日は延長での勝利。終盤の粘り強さについて、狩野は「常に負けている想定で練習や試合に臨んでいるからでは」と分析する。斎藤智也監督は「準々決勝に続き、耐えきった上での勝利。激戦の連続で選手たちの成長につながる」と評する。

 狩野は「もう1試合できることは感謝しかない。悔いの無いように全力でやりきって、優勝をつかみ取りたい」と意気込む。

 「力のない代」としてスタートしたチームが、2018年春以来の東北の頂まであと1勝に迫った。(滝口信之)

東北3―1青森山田

 東北が投手戦を制した。東北は二回、ハッブスの適時打で先制すると、三回には柴田の二塁打などで2点を追加。投げてはハッブス、伊藤の継投で逃げ切った。青森山田は三回に森川の適時打で1点を返すも、その後は東北の継投の前に三塁を踏めなかった。

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