別姓の婚姻届を再提出 米での婚姻「日本でも有効」司法が認めた夫妻

杉原里美
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 米国で別姓のまま結婚した婚姻関係が日本でも有効と認めるよう国に裁判で求めた映画監督の想田和弘さん(52)と映画プロデューサーの柏木規与子さん夫妻が13日、それぞれの姓を選んだ婚姻届を東京都千代田区役所に改めて提出した。昨年の東京地裁判決は婚姻の成立を有効としたが、戸籍記載の地位確認は退けていた。

 区は同日、受理しなかった。想田さんと柏木さんは近く区に受理命令を出すよう求める家事審判東京家裁に申し立てる予定だ。

 柏木さんと想田さんは1997年、別姓のまま、米国のニューヨークで結婚した。海外で結婚すると、日本の在外公館などに届ける必要があるが、日本の婚姻届は、片方の姓を選ばなければならない。2人は、選択的夫婦別姓制度の実現が近いと考え、届け出を先送りしていた。

 2人は2018年、「妻の氏」「夫の氏」の両方にチェックを入れた婚姻届を千代田区に提出した。だが、「夫婦は夫または妻の氏を称する」と定めた民法と、婚姻届には「夫婦が称する氏」を記載すると定めた戸籍法に違反するとして受理されなかった。

 2人は国に対し、夫婦としての地位確認を求める訴訟を東京地裁に起こした。21年4月の東京地裁判決は、婚姻の成立自体は日本でも有効と判断したうえで、不服があれば家裁に申し立てるのが適切だなどとして訴えを退けた。

 判決は確定した。ただ、戸籍には記載されていないままで、婚姻関係を戸籍上、公的に証明する手段がない。柏木さんは01年、米国領事館で日本人職員に配偶者ビザの発行を拒まれるなど不利益を経験している。税制の配偶者控除を受けられないといった法律婚を条件とする制度の適用も難しいという。

 弁護団は「2人が同じ戸籍に載らなくても、各人の戸籍に結婚したことを記載する方法でも証明できる。一時的な結婚証明書を発行することも訴えていきたい」と話している。(杉原里美)