(魂の中小企業) ファッションを楽しむ権利、いくつになっても

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 人間には、ファッションを楽しむ権利があります。

 生活にちょこっと余裕があるのでしたら、洋服を買って、思いっきりこの権利を行使するのもいいかもしれません。

 甲子園球場がある兵庫県西宮市。そこに、「トリニティ」という会社があります。

 設立は2006年。車いすなど介護福祉用品の販売やレンタルをしています。

 この会社は9年前、シニア向けの衣服販売も始めました。

 高齢者に、もっともっと、ファッションの権利を楽しんでもらいたい。

 そう思った社長は、シニア向けの既製服をネットで売り始めます。

 シニアのみなさんは、ほんまに喜んでいるんか?

 そう思った社長は、60~70代の女性向けオリジナル服を開発、販売し始めました。

 ブランド名は「YOUKA(ヨウカ)」。

 これには、社長のある思いがこもっています。添田優作さん、44歳。元美容師であり、元フリーター。本日は、自分が何をしたいのか迷走した男の物語です。

     ◇

 父はアパレル関連の仕事、母はコールセンターのオペレーター。西宮市にあった家には、父方の祖母も住んでいた。両親とも働いていたので、必然、添田少年は、おばあちゃん子になった。中学時代は、ちょこっとヤンチャに走った。

 神戸の私立高校に入る。オシャレな街、神戸。道行く若者を見て思ったのは……

 〈ヤンキー、おらんぞ〉

 ダボダボなファッションがあふれていた。スケボーやダンスをするのだと知る。

 〈こんなオシャレもあるんや〉

 添田はファッションに興味をもち、デザイナーにあこがれた。ファッションの専門学校に進もうと、アパレルに詳しい父に相談するが、「景気が悪い、やめておいた方がいいぞ」と言われる。

 でも手に職をつけたい。何にな、ろ、う、か、な。美容師になろうと専門学校に進んで卒業、美容室で働き始めた。

 ふつう美容室は、土日がかき入れ時。だから店休日は月曜が多い。添田が働いた美容室は日曜日がお休み。なぜかというと……。

 大阪の繁華街、北新地。そこにある美容室だった。お客さんは、クラブにつとめる女性やニューハーフ。出勤前、ヘアスタイルを整えるのである。

 日曜日は遊びたい。だから、添田はこの店を選んだ。働きはじめて、添田は痛感した。

 〈美容師として成功するには…

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