屈辱的だった国の言い分 原発事故の責任はないのか 17日に判決

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滝口信之、酒本友紀子 根岸拓朗
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 東京電力福島第一原発事故の賠償責任は国にもあるのかどうか。各地に避難した人らが起こした4件の集団訴訟について、最高裁第二小法廷が17日の判決で統一判断を示す。原告は計約3700人。一審、二審では、めまぐるしく変わる認定に翻弄(ほんろう)された。最終決着に向け、事故から11年3カ月の思いを聞いた。

 「一言ひとことに責任を持つため実名で取材を受けることにした。国も原発事故の責任をとってほしい」

「実名で語る」原告の決意

 福島県浪江町出身の小丸(おまる)哲也さん(92)はこれまで「家族に迷惑をかける」と実名を避けてきたが、4月に最高裁で意見陳述したことを機に考えを変えた。

 自宅は福島第一原発から約11キロ離れた山あいにある。300年以上続く農家の生まれで、コメづくりや養蚕に励んだ。町議も16年務め、道路舗装や用水路整備に取り組んだ。「住みよい場所にしたいという一心だった」。地区には約30世帯が暮らし、全員の顔と名前が一致した。春や秋は神社の祭りを楽しんだ。

 そんな生活は2011年3月の事故で一変した。福島県内を転々とした後、千葉県内の長女宅に避難。生きがいの農作業はできず、12年に脳梗塞(こうそく)を患った。

事故で平穏な暮らしを奪われた原告たちは、裁判で責任を否定する国の主張に怒りを募らせます。記事後半では、間もなく言い渡される最高裁判決のポイントも解説します。

 土地と暮らしを奪われた悔し…

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