核弾頭「次の10年で増加見通し」 冷戦後の核軍縮に転換「兆し」
ロンドン=金成隆一
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は13日、年次報告書を公表し、「2021年に核弾頭は微減したが、今後10年間では核兵器備蓄の増加が予想される」と指摘した。ロシアのウクライナ侵攻が続く中、冷戦後の核軍縮のトレンドが終わる「兆し」にも触れた。
米ロ英仏中にインドやパキスタン、イスラエル、北朝鮮を加えた9カ国の核弾頭数(推定)は今年1月時点で1万2705発で、前年から375発減った。減ったのは全体の9割以上を保有する米ロが役割を終えた核弾頭を解体したためで、実態は全ての保有国が核兵器の近代化を続けており、ほとんどの国は軍事戦略における核兵器の役割をより鮮明にしているという。
世界の核弾頭は冷戦期の約7万発をピークに減ってきたが、SIPRIシニアフェローのハンス・クリステンセン氏は「冷戦終結以来、世界の核兵器備蓄の動向を特徴づけてきた削減が終わった、明らかな兆候がある」と指摘した。
報告書は、ロシアのウクライ…