たった2年でここまで生活が変わってしまうとは思ってもいなかった。
6月11日の夕方、都内に住む26歳の女性は生活困窮者を支援する団体から支援物資の入ったポリ袋を受け取った。
チキンカツ弁当、パン、レトルト食品、トマト……。
「ぜいたくはしていないつもり。でも、今は生きるだけで精いっぱいです」
あきらめたような笑みを浮かべながら、そう言った。
1年ほど前、東池袋中央公園をたまたま通りかかったとき、多くの人が行列をなす光景を目にした。月2回、原則として第2、第4土曜日に行われる東京・池袋のNPO法人「TENOHASI」の支援活動だった。
「こんなことをしているんだ」
驚くと同時に、自分も並べば食料品をもらえることを知った。列に連なる人の多くは中高年以上だったが、「生活の足しになれば」と迷いはなかった。
それからはほぼ毎回、足を運ぶようになった。
ぜいたくはできなくても、満たされていた
中部地方出身。中学校を卒業…
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- 【解説】
コロナ禍以降、特に自営業者や非正規雇用者が倒産や失職に陥るなど収入源がなくなり、賃貸の部屋を追い出されたり、食べるものすら買えないという人々が激増した。私の元にも「もう所持金が数十円しかない。死ぬしかないのか」といった相談の連絡がくることが
- 【視点】
26歳の願いが「コロナ禍前のように週5日、働きたい。それだけです」……。言葉が出ませんでした。一方で、投票所に足を運ぶつもりはないと女性は話します。 若者の意識を研究している「SHIBUYA109 lab.」のZ世代を対象とした政治へ