道路で待ち続けた7歳の「ヨナ」へ おばあさんから最後のプレゼント
埼玉県で暮らす犬のジョナサン。
雑種のオスで年は7歳。みんなからは「ヨナ」の愛称で呼ばれている。
そんなヨナが、散歩の途中で毎日のように立ち寄っていた場所がある。
おそらく80歳を超えていたであろう、顔見知りのおばあさんの家だ。
初めて会ったのは散歩デビューしたてのころ。
おばあさんは旦那さんと一緒によく散歩していて、会うたびにヨナを褒めてくれた。「目がきれい。この子は可愛い。大好き」
お手ができるようになると「手が握りがいあるわね」。
歯並びや、耳の横のふわふわした毛など、あらゆることを褒めてくれた。
何度か会ううち、ときどき通っていた道に家があることがわかり、散歩コースの一つになった。
朝夕それぞれのルートはヨナが決めるが、いずれかにおばあさんの家が含まれていた。
家の前まで来ると、道ばたから窓をジーッと見つめてお座り。
しばらくすると、おばあさんが「視線を感じたの」と言いながら、ジャーキーを持って出てきてくれる。
ある程度決まった時間に通るとはいえ、きっと待ってくれていたのだろう。
ヨナに気づかなかったり、不在だったりする日もあるため、しばらく待って出てこない時は散歩を続けた。
次に会うと「もう、そういう時は呼んでよ~」と言われるが、あえて声をかけるまではしなかった。
◇
6月2日の午後。
飼い主であるヨナママさんと、いつもより早い時間におばあさんの家の前にやってきた。
しばらく会えていない日が続いていたが、この日は寝室の窓が少し開いていた。
「もしかして今日は会えるかも?」
ヨナもそう思ったのか、少しテンションが上がったように見えた。
いつものようにお座りをして待っていると、おばあさんの息子が出てきた。
「もし、ご迷惑でなかったら…
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