生産拠点の統廃合急ぐ石油元売り大手 脱炭素の需要減で業態を転換
石油元売り大手の出光興産は14日、傘下の西部石油の山口製油所(山口県山陽小野田市)を2024年3月をめどに停止すると発表した。出光の生産能力の1割が減ることになる。ガソリンなどの需要は今後も減少するとみて、生産拠点の統廃合で効率化を急ぐ。
出光は西部石油の筆頭株主だ。西部石油には中国電力やUBE(旧宇部興産)なども出資している。今後は出光が株式を買い取って完全子会社化したうえで、生産を止めるという。
西部石油の飯田聡社長らはこの日、山口県宇部市のホテルで会見を開いた。従業員435人(4月1日現在)の雇用については、出光グループの拠点や新しい事業などに配置転換する。飯田社長は「職場確保は十分に可能だ」とし、早期退職者は募らないという。
出光の丹生谷(にぶや)晋副社長も都内で会見し、「高齢化、人口減少、新型コロナによるライフスタイルの変化、脱炭素の加速で、石油製品の需要減少のスピードが速まっている」と語った。
山口製油所は193万平方メートルで、1969年に操業を始めた。出光は現在、全国に6カ所の製油所を持ち、原油の処理能力は1日あたり94・5万バレルある。山口製油所はそのうち12万バレルだ。停止すれば、製油所は北海道、千葉、神奈川、愛知、三重の5カ所になり、西日本の生産拠点はなくなる。
丹生谷氏によると、30年ま…