PK献上、お見合い…W杯なら致命傷 日本の課題浮き彫りにした惨敗

勝見壮史
[PR]

(14日、サッカーキリンカップ決勝 日本0―3チュニジア)

 敗戦が決定的だった後半追加時間、相手FWに単独で持ち込まれ、豪快なミドルシュートを決められた。日本の選手たちが両手をひざに当て、うなだれる。ボールを保持しても、逆襲から少ないチャンスを決められた。0―3。完敗で、強化試合4連戦は終わった。

 主将のDF吉田は、分かっていたはずだ。「小さなミスが積み重なると、大きな代償を払わされる。それがハイレベルの常だ」と。

 この日の失点が、まさにそれだ。

 後半立ち上がり、浮き球に対し、無理に相手より先に触ろうとした左DFの伊藤がクリアできなかった。吉田のミスが重なる。カバーに行くべきか迷ったのか、マークしていた相手FWから一瞬目を離した。その隙に縦パスを通された。吉田が相手を倒して与えたPKを決められた。

 同31分の失点も、相手が蹴り込んできたロングボールの処理を誤り、DF2人とGKが一瞬、譲り合った隙を突かれてのものだ。

 吉田は自戒を込めていった。「課題は明確。4連戦は自分たちのミスから失点している」。ここまでの3戦の失点も自陣でのパスミスから許したもの。1次リーグで戦うドイツスペイン相手の大一番なら致命的な1失点だろう。

 「こういう試合やミスがW杯前に出てよかった、と言えるようにしたい」とMF鎌田。W杯前に海外組も加わって活動できるのは9月だけ。危機感を深める上では、意味のある惨敗だったのかもしれない。(勝見壮史)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません