雪の宿、ぱりんこ…店頭から消える人気の米菓 工場火災の影響いまも

有料記事

宮坂知樹 長橋亮文 西村奈緒美
[PR]

 「雪の宿」「ぱりんこ」「チーズアーモンド」――。米菓メーカー三幸製菓(新潟市)の人気商品が店頭から次々姿を消している。従業員6人が死亡した2月の工場火災を受けて続く生産停止が長引いている影響だ。同社は6月下旬の再開を目指して準備を急ぐが、「三幸離れ」は進んでおり、元のように受け入れられるかは見通せない。(宮坂知樹、長橋亮文、西村奈緒美)

 新潟市中心部にある大手ドラッグストアの菓子売り場を訪れると、三幸製菓の商品で埋め尽くされていた胸の高さほどの4段の棚に、同業他社のものが並んでいた。4月に入った頃にはまだ3種類ぐらい残っているのが確認できたが、ほどなく全く見当たらなくなった。

 三幸製菓は火災が発生した2月11日の直後から、新潟県内に3カ所ある工場のすべてで操業を止めた。停止後も生産済みだった在庫を出荷してきたが、それも3月中には底を突き、現在は商品の出荷自体ができていないという。

 「イオンリテール」(千葉市)が国内各地で運営するスーパー「イオン」では、3月中に全店舗で三幸製菓のすべての商品が売り切れになったという。担当者は「米菓では最も取引があった企業。供給がなくなるという段階で他のメーカーと商談し、これまで取り扱ったことがなかった米菓も仕入れて対応している」と明かす。

 新潟県を中心にスーパー「原信」や「ナルス」を展開する県内最大手「アクシアルリテイリング」(新潟県長岡市)によると、三幸製菓の主な商品は2月下旬から徐々に減り始め、3月下旬には取り扱いがなくなった。かわりに他の米菓メーカーからの仕入れを増やしているといい、三幸製菓の生産再開後への対応は「慎重に検討する」(担当者)としている。

業界2位、シェア2割だった三幸製菓

 三幸製菓の売上高は579億…

この記事は有料記事です。残り999文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら