政権の安定に向け自らの色や主張も抑え込んで、かじ取りを担った9カ月。その先に臨む決戦は、自民党の岸田文雄総裁(64)にとって長期政権の基盤となるか、それとも波乱の幕開けか。
参院選が公示された22日、岸田氏は大勝した昨秋の衆院選と同じ福島市で第一声に立った。強調したのは、参院選の争点になっている物価高対策だった。「この物価高は、ロシアのウクライナ侵略によって世界規模で引き起こされている。いわば有事の価格高騰だ」。そう語り、政府として対策に万全を期す考えを強調した。
「危機感」は以前からあった。6月8日夜、東京・日本橋人形町の老舗料理店。岸田氏は自身が率いる派閥「宏池会」(岸田派)の中堅議員らと料理に舌鼓を打っていた。
この日、内閣不信任案が提出…
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