千葉のLNG火力発電所計画から九電撤退 東京ガスは単独で計画続行
宮川純一 長崎潤一郎
九州電力は15日、東京ガスと検討してきた千葉県袖ケ浦市の液化天然ガス(LNG)火力発電所建設計画からの撤退を発表した。燃料価格の高騰などで事業環境が悪化し、投資を続けられないと判断した。東京ガスは「開発検討を引き続き進める」とするが見直しを迫られる可能性もある。
火力発電所は原発2基分に相当する200万キロワットの規模だ。2023年3月に準備工事を始め、28年5月以降の運転開始をめざしている。
東京ガスは電力販売に力を入れており、発電所を確保しようとしている。建設費は数千億円にのぼるため、九電が抜けたあと1社だけで負担できるかどうかが課題となる。
建設計画をめぐっては地元の漁業関係者らが反対している。発電所の排水による水温上昇でノリの養殖などに影響が出ることなどを懸念しているという。漁協関係者は取材に「生活の糧が少なくなるので若い世代ほど反対が強い。金銭的な保障の議論が入り口となる」と話す。
袖ケ浦市では東京ガスと九電…