ひょう害の被害額12億円超 福島県知事「しっかり支援したい」

笠井哲也 荒海謙一
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 福島県内で今月2、3日と先月25日に発生したひょうと突風による被害状況を確認するため、内堀雅雄知事は15日、福島市果樹園を視察した。リンゴや桃の実に傷がついた状態を目の当たりにした内堀氏は「本当に厳しい状況だ。財政支援を含め、対応策をできるだけ早くとりまとめていかなければいけない」と話した。

 県は今後、JAとともに、収量や品質を確保するための技術支援に取り組むほか、傷ついた果物の販売促進にも力を入れる。視察を受けた福島市飯坂町の果樹農家、菅野賢蔵さん(63)は「これまでひょう害はほとんどなかった。(傷ついた果樹の)販売やつなぎ融資などで、支援を期待したい」と話した。

 県が10日にまとめた速報値では、被害は17市町村で計782ヘクタール、被害額は12億8371万円で、ひょう害としては1980年以降で2番目だ。品目別では梨が4億1875万円で最も大きく、リンゴが3億6110万円、桃が3億5183万円と続いた。市町村別では福島市が5億9810万円、須賀川市が4億1460万円、鏡石町が1億895万円だった。県内では昨年も霜害で果樹や野菜に27億円超の被害が出た。(笠井哲也)

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 福島市は、降ひょうで被害を受けた果樹農家への支援策として、傷があってもおいしさは変わらない果実の販売促進に向けたポータルサイトを7月にも開設する。

 市によると、市内では梨や桃、リンゴなどに6億円以上の被害が発生。市は農家に傷が少ない果実の栽培を続けてもらい、購入を通じた全国からの支援を期待している。ポータルサイトは販売する農家や直売所、価格などを紹介する。

 市は14日、この事業費などを盛り込んだ総額10億7千万円の補正予算案を発表し、開会中の今議会に追加提案する。(荒海謙一)

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