第90回「難民になりたくてなってない」 家も職もない祖国へやむなく戻った

有料記事ウクライナ情勢

リビウ=福山亜希
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 ロシア軍の侵攻後に国外に逃れ、難民となったウクライナ市民は750万人を超える。避難先の欧州から戻る動きも加速しているが、帰国したものの、家も仕事も失い、国内で先の見えない避難生活を送っている人も少なくない。

 「悪夢が起きた街には帰れない。これからどう暮らせばいいか。家を失い、貯金は尽き、私たちの唯一の財産は車だけです」

 14日、首都キーウ(キエフ)からオンライン取材に応じたアンナ・トカチェンコさん(36)は、ため息をついた。

 故郷の南東部マリウポリは、2月24日のロシア軍侵攻直後から激しい攻撃を受けた。自宅近くを空爆された2月下旬、夫が運転するチェコの車メーカー「シュコダ」のセダンに乗り、街を発った。各地を転々とする、長い避難生活の始まりだった。

 3月上旬、友人がすでに避難…

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    長野智子
    (キャスター・ジャーナリスト)
    2022年6月16日11時24分 投稿
    【視点】

    6月20日は「世界難民の日」です。難民がいなくなり、ミッションが終わる日が来ることを目指し活動を続けるUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)ですが、残念ながら今年の「世界難民の日」に突きつけられたのは、世界の難民・国内避難民の数がついに一億

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