「我々を待つのはハリケーン」 加速するインフレ、岐路に立つ米経済

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ニューヨーク=真海喬生
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 景気後退に陥るのか、ソフトランディング(軟着陸)に成功するのか。米国経済はいま、分岐点に立っている。今のところ、消費や雇用環境は良く、「米経済は強く、金融引き締めに対応できる」(米連邦準備制度理事会=FRBのパウエル議長)との見方が主流だ。しかし、金融大手のトップから景気後退のおそれを指摘する声が出始め、消費関連の指標にも変調の兆しがある。世界最大の経済規模を誇る米国が景気後退に陥れば、世界に与えるショックは大きい。これからどうなるのか。

 米国はもう1年以上、激しいインフレに見舞われている。5月の消費者物価指数は前年より8.6%増と約40年ぶりの上昇率を記録。昨年5月以降、前年より5%を超える激しい物価高が続き、しかも加速している。賃金上昇は物価上昇に追いついておらず、特に所得の低い層がしわ寄せをうけている。国民の不満は大きい。

 FRBは15日、政策金利の幅を0.75%引き上げ、水準を1.50~1.75%とすると決めた。通常の3倍の大きさで、約27年半ぶりとなる大幅な利上げだ。経済を少し冷やしてインフレを抑える「軟着陸」を狙っている。ただ、利上げの開始が今年3月で、その際は0.25%と小幅な引き上げだった。5月に0.5%、6月に0.75%と徐々に上げ幅を拡大しており、FRBは出遅れたという指摘がある。そもそも金融政策ウクライナ危機によるエネルギー価格高騰など、外部要因に主に起因するインフレをコントロールすることは難しい。抑えこむための急速な金融引き締めが行き過ぎれば、経済を冷やしすぎて景気後退に陥りかねない。

 「我々を待ち受けるのは嵐で…

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    江渕崇
    (朝日新聞経済部次長=日米欧の経済)
    2022年6月16日13時29分 投稿

    【解説】 パウエルFRB議長はもともと0・5%幅の利上げを予告していましたが、前週末に発表された米消費者物価が予想外の伸びを示したことなどから、実際には0・75%と極めて異例な大幅利上げに踏み切りました。コロナ危機初期の20年3月15日の日曜日夕方