普通に「ママアスリート」じゃダメなの? 苦労の強調に覚えた違和感
2度目の五輪となる2008年北京大会での出来事だった。射撃女子クレー・トラップで4位になった中山由起枝さん(43歳、日立建機)は、小学1年だった娘の芽生(めい)さんとこんなやりとりをした。「4年後も目指していい?」と聞くと「ロンドン終わったら、やめてね」。泣きながらそう答えた娘を、中山さんは抱きしめた。カメラが、その様子を日本へ伝えた。
五輪初出場だった00年シドニーの後、結婚。01年に芽生さんを産んだ。「普通に競技をやめました。当時はそれが当たり前だったので、続けるかどうかを考えることもなかった」
芽生さんが1歳のころ離婚し、約2年ぶりに競技へ復帰した。「働かないと収入がない。私にできる仕事は射撃だった」。海外遠征などでは娘を父母に預けた。別れ際、娘はよく泣きじゃくった。
北京五輪では、柔道女子で3連覇を目指した谷亮子さんが「ママになっても金」と言ったのが話題になった。陸上長距離の赤羽有紀子さんも「ママさんランナー」と注目された。
「ママアスリートやママさん…
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