米沢のあったか駅弁、「甲子園」の頂点に 山形新幹線とともに30年

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辻岡大助
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現場へ! みちのく疾走40年③

 東北新幹線の開業から10年後の1992年、福島駅から枝分かれして山形県内の在来線に入る山形新幹線が開業した。97年にできた秋田新幹線と並ぶ「ミニ新幹線」だ。在来線区間は、最高速度が東北新幹線のほぼ半分の時速130キロで走る。

 大型連休を控えた今年4月下旬、同県の米沢駅で駅弁店を構える新杵(しんきね)屋の3代目、舩山(ふなやま)栄太郎会長(84)の姿が同駅ホームにあった。コロナ禍3年目にして、初めて感染拡大による行動制限もなく、乗客は戻りつつあるようだ。

 「昔はね、5人の売り子が駅弁を積んだ販売台を肩から下げて走り回ったもんですよ。コロナが早く収束して、再びにぎわうようになってほしいね」

 同じ92年発売の新杵屋の牛丼弁当「牛肉どまん中」は1月、「駅弁の甲子園」と呼ばれる京王百貨店新宿店(東京)の「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」で頂点に立った。実演販売個数のランキングで2000年の初登場2位から毎回ベスト10に入る。

 13年のJR東日本の「駅弁味の陣」で最高評価の「駅弁大将軍」に選ばれたこともある。

 「国産の黒毛和牛と秘伝のタレがよく合うコメを選びましたから」。舩山さんは自信作の秘密を明かしてくれた。

 しょうゆ、みりん、砂糖でつくるタレは代々、つぎ足してきた。細切りの牛肉煮と牛そぼろ煮との相性も抜群で、さらっと炊き上がる山形県産米「どまんなか」とよくからむ。調理で牛脂を取る工程を増やしたため、あっさりと食べられる。卵焼き、かまぼこ、ニシン昆布巻き、サトイモとニンジンの煮物、桜漬け大根が箸休めだ。上品な甘さが特長の味を守り続けている。

 山形新幹線「つばさ」は他の新幹線と同じく座席の窓は開かず、売り子が窓越しに駅弁を渡せない。そこで、舩山さんは一計を案じた。

 山形駅で車内販売員が東京行…

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