全国唯一、村の新幹線駅 東京にも通える 震災、コロナ経て福島移住

有料会員記事

斎藤徹
[PR]

現場へ! みちのく疾走40年④

 東北新幹線新白河駅福島県西郷(にしごう)村にある。その西口から車で10分。杉林に隣接したのどかな場所に、伊藤貴一さん(39)、琴美さん(37)が暮らす古民家風の一軒家はある。

 貴一さんが3年前に購入し、趣味のDIYで改修した。水回り以外はひとりで仕上げ、和モダンな空間が広がる。裏庭には鶏小屋を作り、卵を産む2羽の鶏を飼う。

 「やりたかったことが全部できた。ここに移住して本当によかった」。警察官を経て、今はパン職人。隣接する栃木県那須塩原市のパン工房で修業の毎日だ。

 琴美さんは東京・丸の内に本社がある企業で働く。今は在宅勤務が基本で、週1回程度の出勤に新幹線を使う。片道約1時間半。村が運行する乗り合いタクシーを使えば、ほぼドアツードアで通える。

 「東京での仕事と田舎暮らしが両立できるのは、新幹線のおかげです」

 2人が暮らす西郷村は全国で唯一、新幹線の駅がある村だ。「『村に住んでいる』と言うと首都圏の人から驚かれます。でも、そこに新幹線の駅があると言うと、もっとびっくりされます」と夫妻は笑う。

 ともに埼玉県出身で大学も首都圏。琴美さんは「結婚したら、東京タワーの見えるマンションで暮らしたい」と思っていた。共通の友人を介して貴一さんと巡り合ったことで、想像もしていなかった田舎暮らしをすることになった。

 大卒後に警視庁に入った貴一さんは、東日本大震災原発事故が起きた翌年の2012年、「福島県民を現場で支援したい」と特別出向を志願した。福島では「ウルトラ警察隊」の一員として、犯罪取り締まりやパトロールに2年間従事した。

 東京に戻った後、福島で出会…

この記事は有料会員記事です。残り686文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【7/11〆切】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら