衆院小選挙区、10増10減を勧告 140選挙区で線引きも見直しへ

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宮田裕介
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 政府の衆院議員選挙区画定審議会(区割り審)は16日、衆院小選挙区の新しい区割り案をまとめ、岸田文雄首相に勧告した。「一票の格差」を2倍未満に是正するため、15都県で「10増10減」の配分を行うことも含め、25都道府県の140選挙区で線引きを見直した。全小選挙区(289)の半数近くに上り、改定の対象は過去最多となった。

 首相官邸で勧告を受けた岸田首相は「内閣としては、勧告を直ちに国会に報告するとともに、必要な法制上の措置を講じていく」と述べた。政府は、新たな区割りを反映させた公職選挙法改正案を今秋に予定される臨時国会に提出する方針。成立後、1カ月程度の周知期間を経て、新たな区割りが適用される。

 区割り審は、2016年改正の衆院議員選挙区画定審議会設置法や2月に策定した作成方針に基づいて区割りの改定を進めた。20年の国勢調査結果をもとに、人口比で定数を増減させる「アダムズ方式」を適用。09年、12年、14年の衆院選で「一票の格差」が2倍を超え、最高裁が「違憲状態」と判断していたが、今回の改定により、20年国勢調査で日本人の人口が最も少なかった鳥取2区と、最多の福岡2区との格差は1・999倍となった。見直し前の最大格差2・096倍から改善される。

 「10増10減」では、東京の選挙区を5増、神奈川を2増、埼玉、千葉、愛知がそれぞれ1増とする。一方、宮城、福島、新潟、滋賀、和歌山、岡山、広島、山口、愛媛、長崎はそれぞれ1減となる。

 また、20年国勢調査で人口最少選挙区(鳥取2区)との一票の格差が2倍を超えた選挙区を抱える大阪や福岡のほか、昨年の衆院選の当日有権者数で人口最少選挙区(鳥取1区)との一票の格差が2倍を超えた北海道、兵庫の選挙区の線引きも変更した。

 さらに、選挙区が区域内で分割されている105市区町のうち75市区町を解消。これにより、茨城、栃木、群馬、静岡、岐阜、島根の6県も対象となり、見直した選挙区は全体で過去最多の140に広がった。

 選挙区数が1減となる山口…

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    前田直人
    (朝日新聞コンテンツ戦略ディレクター)
    2022年6月16日23時42分 投稿
    【解説】

    区割り審の委員は学者や弁護士ら7人からなります。任命するのは首相ですが、国会(衆参両院)の同意が必要です。区割り審の設置法によると、委員は「国会議員以外の者であって、識見が高く、かつ、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関し公正な判断をす