ロシアが侵攻したウクライナでは、16日も激しい戦闘が続いた。ロシア軍が完全制圧を狙う東部ルハンスク州の要衝セベロドネツク市では、ロシア国防省が15日に呼びかけた「人道回廊」は、機能しなかった模様だ。
人道回廊は約500人が避難しているとされる化学工場「アゾト」から住民を退避させるとして、ロシア側が設定した。しかし、同省は15日夜、ウクライナ側が妨害したと主張した。
この人道回廊についてウクライナ側は特段の反応を示していない。ロシア側が住民の退避先をロシアの支配地域に限ったことに難色を示した可能性がある。インタファクス通信によると親ロ派勢力幹部は16日、人道回廊を再び設置すると表明した。
長引く戦争で犠牲者の数は増え続けている。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は同日、ウクライナ国内で確認された死傷者の数が1万人を超えたと発表した。ただ、南東部マリウポリだけで2万人以上の市民が死亡したとされ、実態は更に深刻とみられる。
ルハンスク州のハイダイ知事…
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- 【視点】
プーチン大統領は先日、領土を大きく拡大した18世紀のピョートル大帝を引き合いに出して「我々も(領土を)取り戻して、確保する巡り合わせにあるようだ」と語りました。ウクライナで行っている軍事作戦の真の目的が、領土拡張にあることを自白したにも等し