国の基準を無視、独自の固定資産税ルール 岩手・北上市が30年以上

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小幡淳一
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 岩手県北上市が、木造家屋の固定資産税を課税する際、総務省の基準を無視し、独自のルールを適用し続けていた。そのため、補塡(ほてん)金を支払ったり、追徴したりする事態に陥っている。誤りは1991年の市町村合併前から続き、正確な課税額は算出できない。精算には少なくとも2年以上かかり、数千万円の費用が必要だという。ずさんな課税ミスのつけは、市民に回ってくる。(小幡淳一)

 16日午前の市議会一般質問で、高橋孝二議員が市の対応や問題点を取り上げ、「おわびは相手に伝わってはじめて成立する。間違いを認め、市民にわかるように説明責任を果たすべきだ」と訴えた。

 固定資産税の評価は、総務省が全国一律に設けた基準に従って行われる。家屋調査で資材や設備などを確認し、基準表で定めた四つの区分に分け、経年で補正する仕組みだ。

 ところが、北上市は区分を分けず、自動的に特定の区分にして課税額を算出していた。その結果、余計に課税したり、低い税額で市の収入が減ったりした。

 市によると、原因は合併前の旧北上市が契約していた当時の電算システムで、区分ごとに入力できる仕様になっていなかった。

 誤りに気付くタイミングは過去に何度もあった。

 1991年の合併前に行われた協議で、総務省の基準通りにしていた旧和賀町と旧江釣子村と差が生じるとして、新市での運用を検討。しかし、件数で全体の約7割を占める旧北上市の方式に従うことになった。

 その後も、担当職員が不自然さに気付いても、問題意識が共有されず、表面化することはなかった。

 合併から約20年後。市の電算システムを更新することになり、コンペで契約先を選定する際、参加業者から区分ごとに入力するのが適正な処理だと指摘され、ようやく誤りに気付いたという。

市議会で追及され やっと「改める」

 誤りに気付いても、市の対応は後手に回った。

 2012年に導入した新シス…

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