2005年衆院選で初当選し、野党時代の自民党では弁護士として培った舌鋒(ぜっぽう)で民主党政権の閣僚を追及した稲田朋美元防衛相。政権奪還後の安倍政権では一転し、閣僚として野党の追及を受けました。そんな攻守両面の経験を踏まえて「野党論」を語りました。
――09年衆院選で政権交代があり、自民は野党になりました
世界一強力な野党でしたね。長い与党経験がある野党で地方組織はまだまだ強く、「絶対に政権を取り戻す」という強い意思もあった。予算委員会ではとにかく大臣、政権の問題点を突く方針で臨みました。
【連載】野党サバイバル 巨大与党との向き合い方
野党が変容しています。迫る参院選での生き残りをかけ、政権と対決する党、融和する党、野党と戦う野党も存在感を増しています。いまの実像に迫り、野党の役割は何か考えます。
――環境の変化はありましたか
予算委に向けて「不適格大臣追及チーム」を立ち上げ
野党に転落した途端、政策の説明に来る官僚が局長から課長に落ちましたね。朝の党会議もひな壇に座る人の方が多くて、出席者は少ない。出される弁当も大きな幕の内弁当から小さなおにぎりになって、いつもいたマスコミも取材に来なくなりました。
――そのなかでどう連帯感を…
- 【視点】
「政権をとらぬ政党はネズミをとらぬネコのようなものだ」というフレーズを思い出しました。終戦直後の元社会党書記長で1960年に民主社会党(民社党)を結党した西尾末広氏が残した言葉です。野党時代の自民党のすごみは、なんとしても政権を奪還するとい