第6回「もう最期か」がん宣告、支えたのは… 資産価値にも貢献する交流

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森本美紀
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 「進行性の前立腺がんで、骨やリンパに転移しています。治る見込みはありません」

 久保吉生さん(77)が医師にそう告げられたのは、もう6年前のことだ。

 放射線治療も手術も不可能だと医師は説明した。「もう最期か」。自分で資料を調べると、5年生存率は約23%だという。

 ホルモン剤で治療を進めることになった。食欲がなくなり、体重は10キロ減った。

 生きる気力を失いかけたとき、支えになったのは、大規模マンションでつながった「サークル仲間」だった。

 久保さんは、49歳だった1993年、竣工(しゅんこう)まもない「ヴィルフォーレ稲毛」の1室を購入し、家族とともに入居した。千葉市内にある660戸の大規模マンションだ。

 65歳になって招かれたのを機に、高齢者が集う「若葉会」に顔を出すようになり、仲間に推されて「いきいき体操」のサークルを立ち上げた。

 現役を退き、何をするにもおっくうになっていた自分にも「出番」があり、みんなにも喜んでもらえる――。それが生活の張りにもなっていた。

 そんななかで、突然のがん宣告だった。

 サークルの仲間にも、しばらくは言えなかった。

 ある日、体調の異変に気づい…

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