ロシア選手との「友情は成立しない」 スポーツの美徳、失われたなら

有料記事ウクライナ情勢

聞き手・稲垣康介
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 ロシアによるウクライナ侵攻は、共に闘い高めあってきた両国のスポーツ界の人々の間にも亀裂を生みました。ソ連時代に生まれ、ウクライナ、そして日本では太田雄貴選手ら五輪メダリストを育てたフェンシング指導者オレグ・マツェイチュクさんは、今の状況を複雑な思いで見つめます。

オレグ・マツェイチュク

1972年キーウ生まれ。2003年に来日、フェンシングの日本代表を指導し、五輪メダリストを育てた。

 不安な日々が続いています。夜もよく眠れません。

 私は東京五輪までフェンシングの日本代表コーチを務め、その後も日本で指導者をしていますが、家族はウクライナに暮らしています。妻と娘は2月24日にロシアの軍事侵攻が始まった後すぐ、自宅のあるキーウ(キエフ)から逃れました。600キロ離れた西部の街に車で避難し、今はイタリアのシチリア島の友人宅に身を寄せています。

 70代の母は一人、自宅を守ると言って残っています。空爆を恐れ、夜は地下鉄駅の構内で寝泊まりしています。

 毎日、インターネットを通じて連絡し、母の安全を確認する日々です。

 私が1972年に生まれた時、母国ウクライナはソ連の一部でした。でも幼少時から、ウクライナ人である、という意識が強くありました。

 私に排他的な思想はありません。どの国にも良い人、悪い人はいる。だから、どの国で生まれたか、国籍で差別したくはありません。

 ただ今回、ロシアが仕掛けた戦争は許せません。

無慈悲に空爆される母国、問い返したいのは

 フェンシングをはじめ、ほと…

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