第7回「住んでよかった」住民は涙した 大規模停電をしのいだマンション

有料記事

森本美紀
[PR]

 午前3時7分。カタカタという物音とともにベッドが揺れた。

 マンション2階で子どもと就寝中だった檜野久子さん(42)は、跳び起きてテレビをつけた。震度5弱。2018年9月6日、最大震度7を記録した北海道胆振東部地震だ。

 停電は道内ほぼ全域に及んだ。水道管の破損だけでなく、水をくみあげる電動ポンプが動かせなくなって断水したマンションも数多かったとみられている。

 檜野さんは、札幌市東部にある約540戸の「パーク・シティ大谷地団地」で暮らす。

 管理組合理事で、災害時などに要支援者を助ける団地内の「サポーター」でもある檜野さんは、対策本部が立ち上がる管理棟へ向かった。エレベーターも止まっていた。

 集まったほかのサポーターとともに、受水槽からポリタンクに水を入れ、支援を待つ住民のもとへ向かった。

 「大丈夫ですか」

 ドアをたたき、階段を下りては上った。その姿を見た中高生らも支援に加わった。

 足が不自由で、「水はあきらめていた」という高齢の夫婦もいた。

 地震から3日後、住民の集まりがあった。

 なかには、涙ぐむ人もいた。

 「ここに住んでいて、よかっ…

この記事は有料記事です。残り2544文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません