【裁判ダイジェスト】5歳児餓死事件、母親公判冒頭陳述から判決まで

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板倉大地
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 三男の翔士郎ちゃん(当時5)を餓死させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の碇(いかり)利恵被告(40)の裁判員裁判福岡地裁(冨田敦史裁判長)は17日、碇被告に懲役5年(求刑懲役10年)の判決を言い渡した。6日の初公判から判決までの計7日間の流れを振り返った。

1日目(6日)

 碇利恵被告は、赤堀恵美子被告(49)=同罪などで起訴=と共謀して三男の翔士郎ちゃんの食事の量や回数を制限して餓死させたとする起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、トラブルの解決や夫の浮気調査をする費用などの名目で碇被告が赤堀被告から金銭を要求され、借金も重ねながら渡した金は、計約1370万円にのぼったことを明らかにした。翔士郎ちゃんには水だけしか与えないように指示され、「肋骨(ろっこつ)が浮き出て、注射をしようとしても骨と皮だけで血管が見つからなかった」とする救急隊員の証言が読み上げられた。弁護側は、両被告がLINEで多い日に約1千通のやりとりをしていた経緯を説明。「赤堀被告からマインドコントロールされていた」と主張し、「実刑を科すのは相当ではない」と訴えた。

2日目(7日)

 両被告のママ友が出廷。赤堀被告からの話を受けて、「利恵(碇被告)が子どもをネグレクトしていると思い込んでいました。赤堀さんはそれを『支えてあげている』と」と当時の印象を語った。

 碇被告は被告人質問で、赤堀…

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