第9回膨らむ国の借金、気にしなくていい? 支出の量だけでは見えない未来

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西尾邦明
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 新型コロナウイルスパンデミックやロシアによるウクライナ侵攻など、これまで「当たり前」だった風景が揺らいでいます。私たちの社会が歩む道はこのままでいいのか。他に進むべき道はないのか。様々な政策課題を通し、そのジレンマや選択肢の可能性を考えます。今回は国の財政編です。

 日本の国債の発行残高は今年度、1千兆円を超える見込みです。地方自治体も合わせた政府の長期債務残高は約1200兆円に上ります。国の経済規模に対する政府の借金の割合である「債務残高対GDP(国内総生産)比」は200%を超え、米国の2倍、ドイツの4倍ほど。世界187カ国・地域中ワースト1位です。

 国の財政を健全化するため、政府は2025年には基礎的財政収支プライマリーバランス=PB)を黒字化する目標を掲げています。国債の元本・利子の支払いは別として、新たな借金に頼らずに行政サービスの経費をまかなえるところまで政府が使うお金を減らすか、税収を増やすという意味です。

 ところが、最近、財政赤字は気にせずに、政府はもっとお金を使うべきだという考えも広がっています。政府が積極的にお金を出して経済を上向きにできれば、企業や家計が潤い、同時に税収も増えるので財政もいずれ健全化するという主張です。双方の立場から考えてみます。

MMT提唱者「日本ほど立証した国ない」

 「現状の日本経済は長期停滞から完全に脱却できず、民需主導の成長軌道に乗るには至っていない」

 自民党で「積極財政派」と呼…

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