ウィーンへ届け、被爆地の声 原爆ドーム前から訴え

核といのちを考える

岡田将平 ウィーン=福冨旅史
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 ウィーンへ届け、被爆地の願い――。核兵器禁止条約の第1回締約国会議の開催を控えるオーストリア・ウィーンと広島、長崎をオンラインでつなぐ催しが19日あり、被爆者らが原爆ドーム前から思いを伝えた。

 原爆小頭症被爆者や家族でつくる「きのこ会」の長岡義夫会長(73)は「核兵器は巨大な威力を持つだけではなく、人の細胞を遺伝子レベルで傷つける悪魔の兵器だ」と訴えた。

 広島市東区の被爆者、田中稔子さん(83)は英語で「若者たちが平和の(象徴の)オリーブの枝を世界にくまなく届けてくれると確信しています」とスピーチ。各地から現地を訪れている若者らを応援したかったという。広島でも若者も含め数十人が集まり、次々とマイクを握った。

 ウィーンの会場では、各国のNGO関係者ら約30人が中継を見守った。原爆ドームの映像が映し出されると、拍手が湧き起こった。

 イタリアの会社員、ジネーブラ・ジェラチターナさん(33)は「世界の核被害者を支援する仕組みが必要だと思う」。オーストリアの会社員グロリア・ステイナーさん(27)は「数字などのデータでとらえがちだが、被害者にしか分からない苦しみを理解できるようにしたい」と話した。(岡田将平、ウィーン=福冨旅史)

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