「野球部なくなるぞ」球児は動く ホットケーキで子ども心つかみとれ

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 5歳の男の子とユニホーム姿の高校生が、手と手を重ね合わせるように、バットを握った。

 「右手が上ね」「よく見て」

 バットを振ると、勢いよくボールが飛んでいく。

 照れくさそうだった園児が笑顔に変わる。選手たちも、にっこりだ。

 文化祭の振り替え休日だった6月中旬の月曜日、富士(静岡)の部員26人は、近所の富士市立なかじま保育園で年長クラスの園児28人と野球交流会を開いた。

 約2時間、おもちゃのバットや軽いボールを使って、打ち方や投げ方を教えた。ノックを実演し、横っ跳びでゴロを捕球すると拍手が起こった。

 「大きくなったら野球をやってみたい」。植松奏君は目を輝かせた。

 富士の稲木恵介監督(43)は言う。

 「交流を通じて興味を持って、野球をはじめるきっかけになればうれしい」

 稲木監督が野球離れに危機感を持ったのは、前任校の三島南(静岡)の監督時代だ。

子どもたちの野球離れが進むなか、危機感を抱いた球児、指導者が地域の子どもたちの「先生役」となって野球教室を開いています。野球だけでなく、得意の勉強を生かしたり、保護者の相談にも乗ったり。特色ある取り組みを紹介します。

 小、中、高どの世代でも野球をする子どもの人数が減っていた。歯止めをかけたいと2014年から普及活動を始め、地域の保育園児や小学生らとの交流の場を設けてきた。

 今年3月までに計36回実施し、約1200人の子どもとふれ合ってきた。

 4月、富士に異動した。富士市も状況はほぼ変わらなかった。

 「母校の野球部がなくなっち…

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    中小路徹
    (朝日新聞編集委員=スポーツと社会)
    2022年6月21日14時5分 投稿
    【視点】

     部活動の意義を勝利を目指すだけではなく、幅広くとらえる。高校野球の部員たちが普及に携わる実践は、そんな点からも、大事だと思います。  記事では、野球人口減少の危機感を指摘していますが、野球部の登録人数はもう少し、精緻に見た方がいいかもし