吉野家元常務「生娘シャブ漬け」発言 受講生らが抗議の署名提出
牛丼チェーン「吉野家」の常務取締役だった男性(解任)が4月、早稲田大学の社会人向け講座で「生娘(きむすめ)をシャブ(薬物)漬け戦略」などと発言した問題で、講座の受講生らが20日、発言への抗議と再発防止の対策を求める2万9200人分の署名を吉野家と親会社の吉野家ホールディングス(HD)、早大に郵送した。
受講生と、受講生と早大側との面談に立ち会った伊藤和子弁護士らが記者会見し、明らかにした。
問題の発言は4月16日、若い女性層に吉野家を継続利用してもらう戦略について元常務が述べた中であった。発言を受けて吉野家HDは同月18日付で常務取締役を解任し、早大社会人教育事業室も同日付でウェブサイトに「お詫(わ)び」を掲載した。
吉野家HDは受講生らが出していた要望書に5月25日に回答。その中ではコンプライアンス研修を実施したとし、ホームページ上でコンプライアンスの考え方を開示している、と説明したという。
講座での発言後にも、吉野家の採用説明会への参加を申し込んだ大学生に対し、本人に確認しないまま外国籍であると判断して参加を断っていたことが判明したため、受講生らは改めて署名を提出したという。
署名は、吉野家側に「今回のような発言が社内で日常的に使用されていなかったか、第三者委員会が実態調査し、結果を公表すること」「社としてのコンプライアンスルールの策定・公表」などを要望。早大に対しては「教育機関として、具体的な認識を公表すること」「キャンパスハラスメントを含むコンプライアンス実態調査と内容の公表」などを求めた。
会見した受講生は「早大や吉野家は署名の重みをきちんと受け止めてほしい」と述べ、対話の機会も設けるよう訴えた。
署名について、吉野家HDの広報担当者は「抗議と要望の内容を確認し、対応を検討する」と話した。早大広報課は「署名提出については、内容を把握しておらず、対応について現時点では回答できない」としている。(阿久沢悦子)
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