2020年から新型コロナウイルス感染症の流行が続く中、参院選が近づいています。感染対策をめぐっては、科学的知見の重要性が再確認されました。政治家は、科学的知見に対してどういった態度で臨むべきか、専門性の高い政策の意図や意思決定過程をどう説明すべきか。現在の政治から考えるべきことを、東京大学先端科学技術研究センターの牧原出教授に聞きました。
――コロナ禍が始まって以降、政府の新型コロナ対策における科学的知見の採り入れ方をどう見ていますか。
新型コロナ対策は、これまでの災害などとは課題の質がまったく違います。震災では、土木系の専門家らが、壊れた都市やインフラを文字通り「再建」していきます。
しかし、感染症対策は、現在進行中の未知の危機に対し、とりあえずの対策をうっていく。不確実性が高く、失敗のリスクをはらむ課題です。
このため、新型コロナ対策には限界があります。ですが、政治家が専門家とのコミュニケーションをおろそかにし、限界以上のパフォーマンスをしようとすることがあったと感じています。
過剰に市町村にワクチン接種を急がせたり、東京五輪の有観客開催にこだわったりしました。
感染症流行のような危機では…

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