参院選が公示され、選挙戦が始まりました。高い内閣支持率を誇る岸田政権を擁する与党陣営に対して、バラバラ感のある野党陣営。そもそも政権選択がかかった選挙ではないといった冷めた見方もあります。こうしたなか、気鋭の政治学者である河野有理さんは、今回の選挙はこれから数十年の日本政治のあり方を規定する「歴史的に重要な局面だ」と指摘します。二大政党制をめざした「平成デモクラシー」は行き詰まっており、河野さんは「政党の役割も大きく変わる」と語っています。政治やこの社会はどう変わっていくのでしょうか。
――参院選が始まりました。しかし「盛り上がらない」「退屈だ」といった声も出ています。
「一般的にそう受けとめている有権者も多いかもしれませんね。でも、政治学者としては、言い方は難しいですけど、今回の選挙をワクワクしながら見つめています。この選挙は歴史的に非常に重要な、これからの時代の政治のあり方を示す選挙になると思っているからです」
――「ワクワク」ですか。衆院選挙ではないので、基本的には与野党の政権交代は起きませんよね。
「政権が変わる可能性もない…
- 【視点】
日本の民主政治のいまをワクワク感をもってとらえるポジティブ思考、いいですね。私も昨年の衆院選の結果を受けた感想は「いろいろ終わったんだな」ということでした。二大政党をめざした平成デモクラシーもそうですね。さらにもうひとつ私が感じたのは、戦後